トップページ > 主な事業

財団が取り組む主な事業

1 中谷宇吉郎アーカイブの構築

 当財団のベースとなる活動として、アーカイブの整備を行います。 既に、北海道大学と中谷宇吉郎雪の科学館において、関連資料のアーカイブ化が進行中です。当財団では、未着手の宇吉郎自邸 (東京・原宿)での所蔵資料のデジタル化を推進いたします。将来的には、各所のアーカイブを一元化し、より有効な管理と活用が行われることを目指します。アーカイブの対象は、宇吉郎が遺した貴重な学術・研究・論文関係資料のほか、広範にわたる著述・映像関係の資料、またプライベートな書簡・日記なども含みます。これらの資料を整備し、公開することで、学術・教育・芸術をはじめ、さまざまな分野で次世代に向けた活用が考えられます。   世界初の人工雪結晶
世界初の人工雪結晶

  • 宇吉郎や日本の雪氷学・気象学の研究事績を広く国際的に発信する素材の提供
  • 広く自然科学の諸分野での研究に関する着眼・着想・発想・展開へのヒント
  • 科学史・科学論など科学研究に関連する分野における示唆
  • 芸術と科学(art & science)の境界領域の探求
  • 教育面で「科学の心」の理解・体得に資すると思われる素材・資料の提供

2 風洞実験装置の展示活用

 昭和16年以降、北海道大学の低温科学研究所で使われていた風洞実験装置が、現在は雪の科学館に委譲されています。実験装置および研究成果の公開を通じて、この装置が宇吉郎の積雪や着氷に関わる研究でどのように使われたかを紹介するとともに、新たな活用を試みます。

  • 雪結晶の研究で知られる宇吉郎の幅広い雪氷学的研究(多結晶氷の物性研究、着雪、着氷、永久凍土、霧、融雪、農業物理研究など)の展示を拡充し、科学としての雪氷研究の礎を築いた宇吉郎及び日本の雪氷学の功績を国内外にアピール
  • 風洞という人工的に自然を作る装置を中心に据え、子どもたちが生の自然を体感し、そのしくみを理解できるワークショップ・プログラムを実施

3 宇吉郎のことば集出版

 宇吉郎の多彩な活動から生まれた、万華鏡のように尽きせぬことばの数々を、「科学の心」をめぐるエッセンスとして編集し、次世代の読者に向けて新たな形で出版する準備を整えています。

4 「中谷賞」(国際賞)の設立

 地球環境問題を背景として、雪氷学や気象学などの分野がますます重要となってきており、それらの研究業績を対象とした国際的な奨励・表彰システムが必要だと考えられます。財団では、その具体化に向けた基本的な調査に着手しており、近い将来に「中谷賞」として実現する予定です。

5 かが かがくうかん構想

 中谷宇吉郎雪の科学館に隣接するエリアを「科学の心」を体現する実験展示施設([仮題]かが かがくうかん KAGA KAGAKUKAN)として再生し、雪氷などの自然現象を中心とした実験研究プログラム、ワークショップを推進しながら、自然科学と芸術を結びつける人材を育てていきます。このプロジェクトを核に、地球環境をめぐる国際フォーラム、シンポジウム、学術会議開催などを積極的に受け入れ展開します。そのことが、加賀温泉を、国際的な文化発信力をもつ、特色ある研究保養地(リゾート)としてイメージアップしていくことに繋がるでしょう。