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中谷宇吉郎について

中谷 宇吉郎(なかや うきちろう 1900-1962)

中谷 宇吉郎

  日本の代表的実験物理学者。雪の研究と人工雪製作で知られる。戦争とその前後の困難な時代に、世界に先駆けた数々の研究領域を切り拓き、雪氷学の礎を築く。

戦後、研究の場をアメリカへと広げ、対象も雪から氷、さらにグリーンランドの氷冠へと進める。早くから地球の気候変動や温暖化にも着目し、科学者として多くの社会的発言も遺す。氷の研究は未完のまま、惜しまれつつ61歳の生涯を閉じた。

寺田寅彦を師と仰ぎ、その学風や科学随筆をも継承している。生誕地の石川県加賀市に「中谷宇吉郎雪の科学館」がある。

中谷宇吉郎アーカイブより

常時低温実験室

  1936年1月、北大に常時低温実験室が完成。同年3月12日、この実験室で世界初の人工雪結晶が誕生。






映画「雪の結晶」

  1939年、人工雪の成長過程を微速度撮影した映画「雪の結晶」を米国ワシントンで開かれた国際雪氷委員会総会に出品。雪の科学が世界に知られる。





樺太のツンドラ地帯

  1941年、樺太のツンドラ地帯を視察。その自然の美しさに打たれる。満州にも赴き、凍上による鉄道被害を解決する。





永久凍土研究所

  1952‒54年渡米。雪氷永久凍土研究所で2年間、氷単結晶の研究に従事。
1954年、ハーバード大学出版より「Snow Crystals: Natural and Artificial」を出版。




グリーンランド

  1957‒1960年の四夏を北緯78°のグリーンランド氷冠上の観測所で過ごし、当時掘削が始まったばかりのアイスコアの研究に打ち込む。





Aiguille du Midi 氷河

  1958年秋、シャモニーで開かれた国際雪氷会議に副委員長として出席。ソ連 (当時) の雪氷学者とAiguille du Midi氷河の頂上にて。